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ペットフードのエッセンス

ペットフード会社の有志で構成されるペットフード公正取引協議会では、不当表示に関する規約を設けているそうだ。 それによると、不当と認められた場合には、警告してペナルティを課すということにもなっている。
警告に従わない場合は、100万円以下の違約金を課すとか、除名処分とかといった処置がなされることも規約書に書かれている。 「除名処分になった場合、人間の食品だと『公正』マークが使えなくなったりしますね。
それは消費者が、ABCの商品を前にしてどれにしようか迷ったときに『選ばれない』という意味でそれなりのダメージにはなるんじゃないでしょうか。 ただ、最初の警告が文書で来たときに、缶詰の表記を変えるとか、オーストラリア・ニュージーランド産の肉を使用しているという表記を加えるとか、それを10しているショップに『オーストラリア、ニュージーランド産の肉を使用しています』というチラシを配るとかをすれば、違約金とかのペナルティは免れるかも知れませんね」最終的に加工を行なった国が原産国になるというのは、ペットフードに限ったことではないようだ。
朝日新聞例年7月比日号によると、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会が、人間の生鮮食料品売場で販売されている商品の表示を調査した結果、「あかしだこ兵庫県産」と表示されたゆでダコのパックの裏に「真だこによって厳しく規制されているのに対して、ペットの犬猫が食べるものであるペットフードには、法的な位置づけが何もない。 「ペットフードをつくる会社に対して、農水省として行なっている規制はとくにありません。
もちろん、そうしたメーカーから問い合わせがあったときには、肉骨粉を使うときの注意点とか、そうしたアドバイスはしていますが…」ペットは飼料安全法の対象外であるから、ペットフードの内容もそこに使用される添加物も同法の規制対象外となっているというわけだ。 ペットフード工業会が食品衛生法、飼料安全法に基づいて使ってよいとされているものを使っていると言っています。
添加物についても同じです。 ペットフード公正取引協議会というところ…これも業界団体ですが、総合栄養食については使ってよいとされているものを使って、栄養成分に関してはこれだけを保持しなさい、こう表示しなさいという通達を出しています」ただどちらも公的なものではないし、法的な規制ではないことを考えると強い拘束力があるというわけではない。

事実、西国さんの持ってきた缶詰はペットフード工業会に所属する会社の製品なのだ。 「自然派とかナチュラルとか、根拠のないことを表示してはならない、というのはペットフード公正取引協議会の基準に書かれています。
ただ、それをきちんと取り締まっているかと言うと、どうでしょうか?加入している会社にはそうしているかも知れませんが、加入していない会社や規制があるから入らない、という会社もあるでしょうからね。 商品については店頭調査をしているようです。
駄目な場合は、電話で通知して注意を促すことになっています。 たしかに第三者機関ではなく業界内でやっていることですから、本来なら客観性を持った第三者機関がやればより信用できるんでしょうけどね。
まあ、メンバーが注意し合うという自助努力の観点から言えば、ないよりはましと言えるんじゃないでしょうか」公正取引委員会のコメントには、もう少し前向きなものもある。 公正取引委員会事務総局経済取引局取引部景品表示監視室の話を聞こう。
私が持参したのは、問題の缶詰とそのインボイス、それにペットフード会社の部長が使用した肉がオーストラリア・ニュージーランド産のものであることを書いたNさんあての手紙。 それに加えて、「合成保存料、着色料は使用しておりません」と書かれた某自然派ペットフード会社の袋と、そのフードからエトキシキンが検出されたことを示す食品分析センターの証明書である。
その二つを前に、「あくまで一般論ですが」と前置きしながら、担当者は言う。 「こうして証拠が揃っていて申告があれば、われわれの方で調査をします。
そして、不当表示があったとなれば、一番重い例で言うなら行政処置として排除命令を出すこともありますし、実際には、表示を変えていただくというのと、新聞等に訂正広告を出していただくこともあります。 軽ければ行政指導とか警告だけの場合もありますが…。
これはとくにペットフードだからどうとか、とくに業種を絞っての話ではありません。 すべての商品に対して対応します。

たとえば、完全無添加と表示をしていながら、検査をすると化学物質が検出されるということなら、行政処置の対象としては十分でしょう」つまり、ペットフードに関して言えば、飼料安全法にもとづいてしか動かない農水省よりも、不当表示の申告があれば動く公正取引委員会の方が、より訴えやすいということだ。 公正取引委員会が見ているのは、あくまでも消費者。
その消費者にとって不利益となる、あるいは誤解を生むような表示や広告は取り締まりの対象となるからである。 「消費者主体の社会になっていく流れの中で、こうしたことをやっていると企業として墓穴を掘ることになりかねない。
一般論ですが、やはりきちんとした表示の中で、輸入した肉なら輸入国を、保存料を使用しているなら使用していると書いて、だから価格が安いとか保存期間が長いということを消費者に認識していただくということでしょう。 そして、そうした商品と、国産の肉を使った商品や、保存料が入ってなくて高い商品との比較との中で、消費者が自由に選べるというのがあるべき市場の形ですから」では、法的な規制がない中で、Nさんが裁判を起こすことは可能なのだろうか?この点について、弁護士・N先生に話を聞いた。
「ペットフードに関して何も関連する法律がないとなれば、法律に照らして訴えるのは無理でしょう。 だから単純に、この缶詰の表示に基づいて買ったので何か被害を受けたとか、表示を信じて食べさせていたところ、表示と違うことが分かって精神的な損害を受けたとか、そういう訴え方になります。
本来なら食品衛生法とか飼料安全法とか薬事法とかがあって、それに基づいての民事上の損害賠償を問うことになるわけですけれども、それがないですから虚偽の表示によって、『精神的な苦痛を受けた』という形で慰謝料を請求するしかありません。 ただペットは家族と考えている人にとっては、たいしたことじゃないではすまされないと思いますよ。
Nさんが怒られるのは当然だと思います」ペットフードそのものを守る法律ではないが、公正取引委員会には景品表示法がある。 N先生は、それに訴えて行政処分による社会的制裁を課した方が、企業にとってはよほど効果的ではないかと言う。
「景品表示法は、不当な表示や景品による顧客の誘引を防止する法律ですから、消費者に対して実際のものより著しく優良であると表示し、購買意欲を誘引したものに対しては、これが有効ということになります。 この缶詰は、あたかも『国産の肉』と思えるような表示をしているわけですから、それなりの措置をして下さいと申し出れば、罰則もふくめて検討されるはずです。

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